少し前に、某ニュースサイトの記事で『病気を予防するには、1日何歩がいいのか?』という記事がありました
結論としては、
・1日の歩数が多いほど予防効果が得られる
・高血圧と糖尿病は、8000~9000歩が目安
ということが、アメリカの研究によって示されたそうです
生活習慣病などの予防には、ウォーキングなどの有酸素運動が有効といわれてきましたが、それは一体何歩歩けば有効なのか示された研究はありませんでした
この研究では、市販のスマートウォッチを数年間着用している人と、その期間に発症した慢性疾患との関係を検討したそうです
この研究の対象者は、アメリカで行われた観察研究に参加した約32万人の中から、
本人所有のスマートウォッチで、6ヵ月以上にわたって記録されていたデータを提供した18歳以上の約6000名を分析の対象にしたそうです
約6000名の分析対象者のうち、1日の歩数は7700歩(中央値)だったそうです
さまざまな慢性疾患を対象として、1日の歩数が1000歩増加するごとの発症リスクの変化を調べたところ、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群などの発症リスクが有意に低下することが分かったそうです
<歩数が増加するごとに発症リスクが低下する疾患>
2型糖尿病 31%低下
睡眠時無呼吸症候群 15%低下
肥満 11%低下
うつ病・高血圧 8%低下
肥満や睡眠時無呼吸症候群、うつ病などの発症リスクは、1日の歩数が増加するほど直線的に発症リスクが低下したそうです
肥満に関しては、1日あたりの歩数が約8300歩(中央値)から1万歩に増加すると、発症リスクが31%低下したそうです
BMIも考慮して分析すると、歩数を5000歩増やすと肥満発症リスクが64%低下すると推定されたそうです
ただし、この研究では、肥満をBMI30以上と定義しており、BMI28以上の人での推定です
1日の歩数が下位25%の人(1日の歩数が約6000歩)と、上位25%(1日の歩数が約1万歩)の人の発症リスクの比較では、
睡眠時無呼吸 52%低下
肥満 41%低下
うつ病・糖尿病 34%低下
高血圧 24%低下
と、上位25%の人は4分の1から2分の1程度発症リスクが低下することがわかったそうです
一方で、糖尿病と高血圧に関しては、1日の歩数との関係は非線形で、比例関係はみられなかったそうです
糖尿病は、1日9000歩
高血圧は、1日8000歩
までは、歩数が増加するにつれて発症リスクは低下したそうですが、それ以上歩いても発症リスク低下はみられなくなったそうです
今回のデータから、ウォーキングや日常生活での歩行は、慢性疾患や生活習慣病などを予防する上ではかかせないものと再認識させられました
ただし、当院にお越しの患者様でも見受けられますが、
自覚できるほどの疲労感があるにもかかわらず、長距離を歩いて痛みに繋がるケースも見受けられます
長時間の座りっぱなしやずっと横になっているなども身体に負担がかかりますが、過度の歩きすぎも身体に負担となりますので、ご自身の体調と相談して適度に身体に刺激を加えましょう!